産学官交流サロン

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令和元年度 開催実績
 
■第7回(令和2年2月18日)
 ◇トピックス:「一作家から見た、沖縄の魅力と未来。そして問題−みなさんと一緒に考えましょうー」
 ◇講   師:小説家 高嶋 哲夫 氏
 ◇内   容:
 高嶋氏は、岡山県玉野市の出身で、日本原子力研究所で核融合の研究に携わった後小説家となり、パンデミックを題材とした「首都感染」など多くの作品を執筆されている。他にも「沖縄コンフィデンシャル」シリーズなど沖縄に縁もあるため、2月サロンでお話を伺った。県外在住者の観点から、沖縄では当然の「世界遺産の多い島」という認識は県外ではほとんどないなど、PR不足を指摘された。町興しの観点では、一例として「瀬戸内国際芸術祭」という瀬戸内海の島々に芸術作品を展示するイベントにも言及され、沖縄では様々な素材があるのでSNS発信も念頭に、政治色を抜きにしたアピールを行っていくべきだと激励された。
■第6回(令和2年1月28日)
 ◇トピックス:「2020年日本経済の展望と経済産業部の取組」
 ◇講   師:内閣府沖縄総合事務局 経済産業部長 本道 和樹 氏
 ◇内   容:
 2019年の沖縄経済は入域観光客数が1,000万人を超えるなど勢いがあり、今年も那覇空港第二滑走路の運用が開始されるなど期待が大きい。今年初の1月サロンでは、本道氏に経済の展望と経済産業部の取組についてご講演頂いた。
 今年度の沖縄の実質経済成長率は1.4%と見込まれ、日本全体の0.9%に比べて高い一方で、今後は首里城焼失、豚コレラ等の沖縄固有のリスク、また米中貿易摩擦や中東情勢の動向、消費増税対策や東京オリンピック・パラリンピック終了後の動向等の県外のリスクがある。他に、経済産業部の取組としてITコーディネータ沖縄等との連携による中小企業IT化支援、沖縄滞在型テレワーク推進等の紹介があった。
■第5回(令和元年11月28日)
 ◇トピックス:「中小企業の生産性向上推進役としてのITC沖縄について」
 ◇講   師:特定非営利活動法人 ITコーディネータ沖縄(ITC沖縄)
        代表理事 比嘉 智明 氏
 ◇内   容:
 「ITコーディネータ沖縄」は2002年に県内のITコーディネータが任意団体として立ち上げ、2019年9月にNPO法人化した組織である。11月サロンでは代表理事の比嘉氏にお話を伺った。
 ITコーディネータとは2001年に設けられた経済産業省推進資格であり、経営者が気付いていない課題に対するITによる解決策の提案が一般化してきた時代を反映し、取得にはIT以外に経営の知識等も必要となる。ITC沖縄はかつて、ITコーディネータ資格更新のための閉じた勉強会を開催していたが、近年はオープンになり、沖縄におけるIT経営による生産性向上の推進役としてIT導入、財務、経営の3つの面で支援を行っている。
■第4回(令和元年10月30日)
 ◇トピックス:「世界自然遺産推進共同企業体について」
 ◇講   師:日本トランスオーシャン航空 株式会社
        代表取締役社長 青木 紀将 氏
 ◇内   容:
 今年の5月に発足した「世界自然遺産推進共同企業体」は、JTAなどの企業が参加して発足した民間主導による連携組織である。5月サロンにはJTA代表取締役社長の青木氏に、同企業体についてご説明頂いた。昨年の「奄美・琉球世界自然遺産」推薦取り下げ後、危機感を持った4社を中心に県内31社が志を一つに集ったのが発足の経緯であり、環境保護活動等を通して世界遺産登録を盛り上げていくこととなった。
 JALグループは環境保護活動を行っていたが、企業体としての活動は規模を拡大し、勉強会等も開催している。今後は国内の他自然遺産登録地の民間企業と連携するなど、更に活動を広げていくとのことである。
■第3回(令和元年8月20日)
 ◇トピックス:「通信の変遷と5G社会への期待」
 ◇講   師:NTT西日本株式会社 沖縄支店 支店長 畔上 修一 氏
 ◇内   容:
 以前は一家に一台の設置であった電話機は、今や一人が一台、あるいはそれ以上を携帯するという形に姿を変えてきており、通信は我々の生活に大きく影響を与えている。8月サロンでは畔上氏をお招きし、通信技術にまつわる話題を頂戴した。 最近のキーワードとなっている5Gに関しては、1Gは1979年の自動車電話であり、通信速度の面では当時の2.4kbps程度から、5Gでは約100万倍の20Gbpsにも達し、特に自動運転に期待が持たれると解説された。他にもリアルタイムでの3Dホログラム作成による歌舞伎演出や宮古島の久松五勇士の逸話、AI画像診断を活用した道路のメンテナンスサービスなど通信に関わる話題を幅広く提供して頂いた。
■第2回(令和元年7月23日)
 ◇トピックス:「少数派の言語で歌うということ」
 ◇講   師:シンガーソングライター 下地 イサム 氏
 ◇内   容:
 下地イサム氏は、シングルCD「我達の生まれ島(ばんたがんまりずま)」でデビューした宮古島出身のシンガーソングライター。7月サロンでは下地氏をお招きした。元々模合の場で歌ったブルース曲の宮古方言替え歌「サバぬにゃーん(島ぞうりが無い)」が広まったことから音楽活動を本格的に始めた下地氏は宮古方言を大切にされている。“おばぁ”の言葉をそのまま歌いたいと、全国放送でも宮古方言で歌った逸話も披露された。自分の歌が絶滅危惧される宮古方言の一助になればと、生演奏でも盛り上がったサロンとなった。また、伝統音楽、舞踊等の土壌がある沖縄の各地域の音楽文化を楽しめるテーマパークの提案もあった。
■第1回(令和元年5月28日)
 ◇トピックス:「内閣府による新しい沖縄振興の推進事業について」
 ◇講   師: 内閣府政策統括官(沖縄政策担当)付
         産業振興担当参事官室参事官補佐  大金 修一 氏
 ◇内   容:
 内閣府では沖縄の歴史的、地理的、社会的な特殊事情に鑑み、様々な沖縄振興策を実施している。令和元年最初の5月サロンでは、大金氏から内閣府による新しい沖縄振興の推進事業に関して、特に今年度沖縄振興予算のソフト交付金を補完するため新設された「沖縄振興特定事業推進費」を中心に説明・講話を頂いた。同費の目的は、沖縄の自立的発展に資し、かつ機動性をもって迅速・柔軟に対応すべき市町村等の事業を推進することである。民間事業者も一定の要件を満たせば交付対象になり、今年度は2事業(SDGs・子供の教育等に関連するイベント開催、ホテルロビーのコワーキングスペース化)が該当しているとのことである。