産学官交流サロン


平成29年度 開催実績
 
■第8回(平成30年3月23日)
 ◇トピックス:「現役キャスターが伝授!信頼される話し方・魅せ方」
 ◇講   師:RBC THE NEWSキャスター 島袋 彩子 氏
 ◇内   容:
 テレビのニュース番組には「伝えるための技」「ビジネスにも応用できるプレゼンテーション術」が詰まっている。3月のサロンは、県内で7年連続視聴率1の「RBC THE NEWS」キャスターの島袋氏をお招きし、視聴者に信頼し、支持してもらうための工夫やノウハウをお伝え頂いた。
 ニュースの読み上げを1件実演して頂いた後に、キャスター用の原稿が1枚10〜15秒程度であること、1文は50文字以内が聞きやすい等の現場知を解説された。また、手持ちの情報全てでなく相手が知りたい情報に絞って伝える、自分の喋り方の癖を認識する、といった心がけがキャスターでなくともプレゼン等で有用であるとのアドバイスがあった。
■第7回(平成30年1月23日)
 ◇トピックス:「我以外皆我が師、私の人生観と沖縄経済への今年の期待・展望」
 ◇講   師:株式会社りゅうせき 参与 稲嶺 恵一 氏
 ◇内   容:
 「我以外皆我が師」は、稲嶺氏の座右の銘であり、自著のタイトルでもある。平成29年県功労賞を受賞され「次世代に体験を伝え、沖縄県の発展に全力を尽くしたい」と語られている。新年最初の1月サロンは、現在もご活躍中の稲嶺元知事にご講話頂いた。
 知事時代には米国同時多発テロ(9.11)後に落ち込んだ沖縄観光を立て直すため国に掛け合い、企業にも協力を頂いたエピソードを披露し、観光の現状に感嘆された。一方で「沖縄に順風が吹いているが、地力はついていないのでは」と問われ、「天は自ら助くる者を助く」と述べられた。その他知事就任以前の逸話等もあり、最後は、県の発展のためにも未来志向になろうと締められた。
■第6回(平成29年12月19日)
 ◇トピックス:「地域活性化とシェアリングエコノミー 〜時代はハコモノからアリモノへ〜」
 ◇講   師:慶應義塾大学院大学メデイアデザイン研究科研究員 兼
        クリエイティブ・エッグス株式会社 代表取締役社長 大江 貴志 氏
 ◇内   容:
 「シェアリングエコノミー」という言葉が注目を浴びている。その意味は。また、地域活性化に結び付くというが、どのような仕組みなのか。12月のサロンは、地域活性化を支援している大江研究員をお招きして話を伺った。
 「シェアリングエコノミー」とは、新たに投資をするのではなく、既にある「ありのまま」をシェア(共有)する経済活動を意味する言葉である。この考え方から、海外では一般人が自分の空き時間と自家用車を使い他人を運ぶ仕組みを提供する企業も出てきている。場所・モノの有効活用、人不足への対応が可能で、新規投資が不要のため商売を立ち上げやすく、地域活性化を推進できるとのご説明であった。
■第5回(平成29年11月28日)
 ◇トピックス:「 〜TeeTeeTee Project〜
           沖縄から新たな観光型エンタテインメント常設劇場計画」
 ◇講   師:株式会社シュガートレイン 代表取締役・プロデューサー 井手 裕一 氏
 ◇内   容:
 最近の沖縄観光は好調である。一方で、以前から「夜の観光メニュー」や「エンターテイメント」が少ないと言われてきた。株式会社シュガートレイン代表取締役の井手氏は「琉球カウボーイ、よろしくゴザイマス」等県産映画のプロデューサーとして、沖縄発の新しい価値の提案に取り組んできた。11月サロンは、開発中の観光エンターテイメントショーに関して同氏からお話し頂いた。
 入場料は大人1人5,000円と高単価に設定されており、しっかりした沖縄伝統芸能が裏にありながらも、誰でも気楽に楽しめるノンバーバルで良質なエンターテイメントショーに仕上げるため、空手を基に幅広い要素を取り入れていくとのことであった。
■第4回(平成29年9月26日)
 ◇トピックス:「台湾と沖縄、新南向政策など最近の話題について」
 ◇講   師:台北駐日経済文化代表處 那覇分處 處長 蘇 啓誠 氏
 ◇内   容:
 台北駐日経済文化代表處那覇分處は、台湾の領事館のような役割を担っている民間機構である。台湾と沖縄は良好な関係を築いてきており、現代でも交流が盛んである。9月のサロンは、蘇處長をお招きし、台湾に関する話題をご提供頂いた。
 台湾は、李登輝政権、陳水扁政権時代に東南アジアとの貿易環境強化を目指す南向政策に力を入れたが、1997年のアジア金融危機等もあって上手くいかなかった。現在の蔡英文(さいえいぶん)政権では新南向政策として、南アジアも含めた国々との関係強化に取り組んでいる。その他、台湾の歴史や沖縄との人的交流の増加、9月に開催した台湾フェア、台湾企業と県内企業の合弁会社立ち上げなどにも話が及んだ。
■第3回(平成29年7月25日)
 ◇トピックス:「沖縄経済と今後の展望」
 ◇講   師:日本銀行 那覇支店 支店長 松本 孝一 氏
 ◇内   容:
 日本銀行那覇支店では、毎月「県内経済概況」を公表しており、今年7月の公表では「県内景気は全体的に拡大している」となっている。7月のサロンは、昨年6月に着任された松本支店長から、沖縄経済の現状と今後の展望を中心に話題を頂いた。
 日銀各支店別の短観では、沖縄が飛び抜けて良い。完全失業率の低下や自動車等売上の順調な推移等の明るい要素を挙げられたが、一方で人手不足による機会損失や労働生産性の低さ等の弱みも指摘された。解決のヒントとして、県内外での高齢者や女性、ITの活用等を示された。また、沖縄の将来を見据えた取り組みとして、情報通信業の誘致、沖縄国際物流ハブ事業の展開を説明された。
■第2回(平成29年6月13日)
 ◇トピックス:「シンギュラリティの世界 〜 世界の最先端イノベーションの今 〜」
 ◇講   師:東京大学大学院情報理工学系研究科 知能機械情報学
          特任研究員 ジョバン・レボレド 氏
 ◇内   容:
 シンギュラリティ大学は、起業家のピーターディアマンテスと、Google人工知能部門開発責任者のレイカーツワイルによって2008年に創設された。
 6月のサロンでは、第1期卒業生であり、現在同学メンターのジョバン・レボレド氏から同学の話題を提供して頂いた。同学はシリコンバレーその他の著名人や研究施設とのネットワークが充実しており、起業家を輩出する拠点となっている。実際に卒業生がAIやバイオ技術のような急激に発展する技術を用いて、無重力下で作動する3Dプリンター、短時間で癌その他の検査ができる機器等を開発している。同氏は琉球ミライ株式会社取締役でもあり、沖縄でも何か挑戦したいとのことである。
■第1回(平成29年5月23日)
 ◇トピックス:「水素エネルギーと新エネルギー全般の技術動向について」
 ◇講   師:株式会社 神戸製鋼所 常任顧問 沖田 誠治 氏
 ◇内   容:
 近年、二酸化炭素を排出しないクリーンなエネルギーである「水素燃料」に注目が集まり、研究開発が進められている。2025年には5兆円規模の産業になるとも予測されている。
 5月サロンは、沖縄総合事務局経済産業部元部長でもある沖田氏を招き、主に水素燃料についてお話し頂いた。特に水素自動車に関しては今や700q走行でき、車から家庭に給電可能といったメリットがあるが、水素ステーションが少ないから車が増えず、車が増えないから水素ステーションが増えないというジレンマがあるとのことであった。他に、再生可能エネルギーを用いた水素発生装置や、余剰熱から発電ができるバイナリー発電機に関する話題も挙がった。