産学官交流サロン


平成25年度 開催実績
 
■第9回(平成26年3月18日)
 ◇トピックス:「変わりゆくメディア時代 地域をつなぐイベントをどう考えるか」
 ◇講   師:株式会社NHKエンタープライズ エグゼクティブプロデューサー
        関山 幹人 氏
 ◇内   容:
 テレビは高画質・高精細化が進み、インターネットもスマートフォンに対応してきており、メディアを取り巻く状況は、目まぐるしく変化している。地域振興にメディアを活かすにはどうすればいいのか。3月のサロンでは株式会社NHKエンタープライズの関山氏をお呼びした。同氏はテレビやラジオ等とは異なり、インターネットをベースに台頭してきたTwitterやFacebook等のソーシャルメディアでは「リアルタイム」「共感・共有」「新規性」がキーワードであり、今後は「イベントの現場外に、どのように情報が伝わるか」という視点が大切であると、東京駅等に映像を投影する「プロジェクションマッピング」等を例に示された。
■第8回(平成26年1月21日)
 ◇トピックス:「沖縄コーポレートゲームズによる沖縄振興を目指して」
 ◇講   師:沖縄コーポレートゲームズ実行委員会 委員長 東 良和 氏
 ◇内   容:
 2015年、沖縄でスポーツイベント「コーポレートゲームズ」が開催される。2014年最初の産学官交流サロンには、沖縄コーポレートゲームズ実行委員会委員長の東氏に、同イベントについてご説明頂いた。「コーポレートゲームズ」とは、端的に言えば「企業対抗の運動会」である。自社ブランドのPRや福利厚生の一環、異業種交流など様々な目的の下で、これまでの開催実績としては、70都市以上で開催され、2万社以上が参加している。沖縄で開催するに当たっては競技の説明等を英語でも行うなど、MICEの国際化も狙って準備を進めている。まずは2015年3月に15種目で2,000人規模の参加を目標にしているとのことであった。
■第7回(平成25年12月17日)
 ◇トピックス:「アベノミクス成長戦略における観光・交流の位置付けと沖縄」
 ◇講   師:株式会社タイセイ総合研究所 技術顧問 中山 行輝 氏
 ◇内   容:
 アベノミクスの「成長戦略」の重点分野の1つとして、観光立国を推進し、外国人観光客の集客数を現状の3倍以上の「2030年に3,000万人超」とする目標が掲げられており、統合型リゾート(IR)誘致の動きもある。今月は、当財団の初代上席研究員でもある中山氏からIR等の話題を提供して頂いた。同氏によると、貿易収支が赤字の現状では、旅行収支が望まれるので、MICEやIRの整備が必須である。2014年でカジノ推進法案を通し(沖縄も候補地の1つ)、順調にいけば2020年東京オリンピックまでに日本でカジノが開店できる、と見識を示され、昼に会議、夜に遊ぶというスタイルでコンベンションが呼べるのでは、と提案があった。
■第6回(平成25年11月19日)
 ◇トピックス:「新石垣空港開港後の現状と八重山地域の観光戦略」
 ◇講   師:石垣市観光文化スポーツ局 局長 嘉数 博仁 氏
 ◇内   容:
 今年の3月7日の2,000mの長さの滑走路を持つ新石垣空港の開港により、石垣島を中心とした八重山地域が活況を呈しており、年間80万人を超す勢いだという。11月サロンでは、嘉数氏に同空港の建設に到った経緯、石垣島のPRについてお話し頂いた。毎年3,000名と名刺を交換するなど、同氏の精力的な活動もあり、石垣島トライアスロンの誘致などの様々なイベントの実績で出入国審査関連施設の許可も得て、更に5年間毎年20便のチャーター便の実績が認められ、同空港は国際空港として開港できた。既に空港のターミナルの更なる拡張の認可も下りており、アジアを広く見据えた同空港の重要性が増すだろうと語られた。
■第5回(平成25年10月22日)
 ◇トピックス:「沖縄のWifi(ワイファイ)整備の現状と沖縄市の取り組み」
 ◇講   師:NTT西日本沖縄支店 島田 勝也 氏
 ◇内   容:
 最近、自治体による「無料Wifi(ワイファイ)サービス」が県内で広がりをみせている。10月サロンは、島田氏に沖縄のWifi整備の現状と沖縄市の取り組み事例についてご説明頂いた。観光庁の調査でもWifi整備は外国人観光客の需要が高く、国内では京都市や福岡市で先行して行われてきたが、今年から沖縄でも那覇市、沖縄市、南風原町でも本格的に始まった。沖縄市は30箇所以上のWifi拠点を設けており、線ではなく面的に広くカバーしているとのことである。月に10,000アクセスがあるなど利用が進んでいるが、今後は各地方自治体別ではなく、統一的な使用方法の議論も待たれるとのことであった。
■第4回(平成25年9月17日)
 ◇トピックス:「民俗文化と地域振興」
 ◇講   師:琉球大学 名誉教授 津波 高志 氏
 ◇内   容:
 当財団が取り組む「沖縄振興」の切り口として、「文化」を挙げた場合、色々なことが見えてくるのではないかと、9月サロンでは文化の研究を専門としている津波氏をお招きした。同氏は、商品を開発する時には異文化、自文化の両方ともが重要だと主張する。例えばご飯茶碗を持って食べる文化である日本の碗は、ご飯茶碗を置いて食べる文化の韓国に持っていくと箸を差し込んだときに安定しないので売れない、と理解できる。その他にも、韓国内の旅行商品として目立つ親孝行観光は儒教色の強さが理由、人口の少ない県内離島でも先祖にうさぎる泡盛が必要なため酒造所が多い、等々の具体的な話題を多く頂いた。
■第3回(平成25年6月25日)
 ◇トピックス:「那覇港湾コンテナバースの活性化に関する提言」
 ◇講   師:一般社団法人ウォ−ターフロント協会 専務理事 橋間 元徳 氏
 ◇内   容:
 今後、アジア各国では人口増加、経済成長が予測されており、東南アジア・北米間のコンテナ貨物が増加するのではないかと見込まれている。6月サロンは、橋間氏にその状況を鑑み、那覇港の「国際リレートランシップ港」としての可能性についてお話し頂いた。那覇港は国際的な貿易港として栄えてきた歴史があり、北米東岸・欧州〜アジアのほぼ中間に位置している地理的好条件を活かし「国際リレートランシップ港」として発展しているオマーン国サラーラ港や、空運と海運との違いはあれど事業拡大を計画している「ANA沖縄貨物ハブ事業」を参考に、那覇港を沖縄振興の決め手として是非活用すべきだと提言された。
■第2回(平成25年5月21日)
 ◇トピックス:「アベノミクスと沖縄の雇用・労働」
 ◇講   師:厚生労働省沖縄労働局長 川口 秀人 氏
 ◇内   容:
 沖縄県は、全国と比較して失業率が高く、雇用の場の不足、ミスマッチ、若者の就業意識なども取りざたされる。5月サロンは、沖縄の雇用・労働について、アベノミクスも絡めて川口氏にお話し頂いた。沖縄の特徴を追記すると、零細企業が多く1社当たりの従業員数が少ないこと、大卒の3年以内の離職率が46%(本土は3割程度)に達すること等がある。プラスの側面は安倍内閣でも重要としている女性の就業率が高いことで、サービス業中心の産業構成が原因ではないかと述べられた。今後沖縄の雇用行政では、中小企業間で人材の流動や、失業者以外にも経営者や中間管理職に対する取り組みも検討するとのことであった。
■第1回(平成25年4月23日)
 ◇トピックス:「アベノミクスと日本経済の展望」
 ◇講   師:株式会社りゅうぎん総合研究所 常務取締役 調査研究部長 久高 豊 氏
 ◇内   容:
 昨年12月衆議院議員総選挙で自由民主党が政権を奪回、第2次安倍内閣が誕生し、デフレ経済を克服するため金融政策、財政政策、成長戦略の3つを経済政策(いわゆる「アベノミクス」)として掲げた。4月サロンでは久高氏にアベノミクスについて金融政策を中心に解説をお願いした。円の供給増加で円の価値が下がり、相対的にインフレ、円安、実質金利の低下が起こるため期待感から株価が高騰しているが、県内では株の運用が少なく、現状で株高のメリットは少ないだろうと説明された。しかし、沖縄には一括交付金と言う財政政策が先に来ており、今後は金融政策の影響が上乗せされるのでは、と見通しを述べられた。