産学官交流サロン


平成24年度 開催実績
 
■第7回(平成25年1月22日)
 ◇トピックス:「沖縄物産のアジア展開を見据えた取り組み」
 ◇講   師:株式会社 沖縄物産企業連合 代表取締役社長 山城 加寿 氏
 ◇内   容:
島嶼県沖縄においては、物流コスト等のハンディキャップが販路拡大上の壁となっているが、株式会社沖縄物産企業連合は、「貿易船を操って世界の架け橋の役割を果たす」との理念を持って、沖縄国際物流のリーディング・カンパニーを目指している。平成25年初の1月サロンでは、山城氏に話題を提供頂いた。海外展開に本格的に取り組み始め、昨年の上海展開で販売したペットボトル飲料水について味以外に、英語、日本語、中国語混合のデザインバランスへの高評価などのエピソードや、今後の戦略としてアジア展開を見据えて豆苗を工場で生産し、県内の雇用確保にも貢献したいという挑戦についてもお話し頂いた。
■第6回(平成24年12月18日)
 ◇トピックス:「世界遺産条約履行の最前線と沖縄の世界遺産(文化・自然)」
 ◇講   師:沖縄エコツーリズム推進協議会 会長 花井 正光 氏
 ◇内   容:
世界遺産条約採択40周年の節目の年である2012年には、世界各地で様々な記念会合が開催され、国立京都国際会館の最終記念会合では各国の世界遺産の現状や問題・課題が取り上げられた。12月サロンでは花井会長に世界遺産に関する動きについてご教授頂いた。近年は登録が最終的な局面で覆りがちなこと、富士山を自然遺産から文化遺産に登録の目標を切り替えるといった現状の説明があった。また沖縄では「琉球王国のグスク及び関連遺産群」が2000年に文化遺産に登録されているが、「奄美・琉球諸島」が自然遺産に登録されれば一つの県に文化・自然遺産両方持つ初のケースであろうし、意義は大きいと述べられた。
■第5回(平成24年10月16日)
 ◇トピックス:「10年先を見据えた沖縄振興策」
 ◇講   師:内閣府沖縄総合事務局 経済産業部長 能登 靖 氏
 ◇内   容:
今年度4 月から改正沖縄振興特別措置法が施行され、県民の期待は高まっている。今年の7月に現在の役職に就任した能登部長はその策定にも携わるなど、沖縄との関わりが深い。10月サロンでは能登部長をお呼びして沖縄振興について講話を頂いた。沖縄科学技術大学院大学等の研究機関やベンチャー企業の存在、国際航空物流ハブ事業に見る地理的重要性、そのハブによる1キロ当たり1,000円超の高付加価値品の流通事業等の可能性を述べた後は改正沖縄振興特別措置法による制度の刷新、税制を巡る状況まで話題は幅広く、沖縄の実力を評価しながらも新制度の積極的な活用が望まれるとの意見を頂いた。
■第4回(平成24年9月18日)
 ◇トピックス:「JTA・スチュワーデス物語」
 ◇講   師:日本トランスオーシャン航空株式会社 キャビンマネージャー
        亀川 智子 氏
 ◇内   容:
JTA(日本トランスオーシャン航空)は、南西航空時代から今に至るまで「沖縄県民の翼」として沖縄の空を飛ぶ重要な役割を担ってきた。9月サロンは、キャビンアテンダントを経てキャビンマネージャーとして活躍される亀川氏からお話を伺った。優雅なイメージのある同職であるが、実際はフライト間には時間的余裕は少なく、体力増強を図る必要を感じマラソン・トライアスロンを完走するまでになったと、逸話も交えつつ、45年間人身死亡事故ゼロという実績やサービス介助士資格保有者の多さが表すホスピタリティなどを挙げ、LCC台頭の厳しい時代でも活躍していきたいと抱負を述べられた。
■第3回(平成24年8月21日)
 ◇トピックス:「沖縄科学技術大学院大学(OIST)の現況について」
 ◇講   師:沖縄科学技術大学院大学 地域連携審議役 嘉手苅 孝夫 氏
 ◇内   容:
今年9 月開学の沖縄科学技術大学院大学は約50 人の教授陣にノーベル賞受賞者を含み、高水準の研究環境、教育環境を誇る。8月サロンは、同学で地域連携審議役を務める沖縄県の嘉手苅氏をお迎えしてお話頂いた。2001年当時の尾身沖縄担当大臣が提唱したOIST設置構想は、沖縄振興計画の策定、建設予定地の選定、整備機構の発足や学校法人としての設立認可を経て、ついに第一期生を迎える。学内では基本は全て英語を使用、研究分野の壁を取り外した学際性、一学年20名の少数精鋭主義など様々な特色があるが、県内高校生を招いての研究紹介、施設見学を行うなど、沖縄の人材育成の役割も果たす。
■第2回(平成24年6月19日)
 ◇トピックス:「MV22オスプレイ配備問題 −米国政府は安全になったというが… −」
 ◇講   師:沖縄タイムス 記者 知念 清張 氏
 ◇内   容:
垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ。日米両政府が那覇軍港や米軍普天間飛行場への配備を計画している新型輸送軍用機である。6月サロンに招いた沖縄タイムス記者の知念氏によると、同機はハワイでも配備されているが、沖縄での配備計画より遥かに時間を長くとり、住民への説明や環境影響調査に時間をかけたとのことである。また、ハワイでは飛行コースや一定レベル以上の騒音のエリアには住宅密集地は入らないよう距離を取っているが、基地周囲に市街地がある沖縄と条件が異なるとし、そもそも米軍機は民間航空機の80倍以上の事故率があることから、現状以上の沖縄の負担増は不可能だと締めくくった。
■第1回(平成24年4月17日)
 ◇トピックス:「世界の文化、日本の文化−グローバル・マーケテイング視点でみた文化の相違」
 ◇講   師:琉球大学 名誉教授 平敷 徹男 氏
 ◇内   容:
マーケティングの考え方では、商品を売るときに統制可能な要因として、「4P(Product・Price・Place・Promotion)」が挙げられる。4月サロンでは平敷氏をお呼びして、統制が難しい要因が多々ある中で、主に海外の文化面からご説明頂いた。中国では赤が縁起の良い色だと考えられるため、「赤」い白物家電が喜ばれる、グリコの「Pocky」がイスラム教徒の多いマレーシアで「Porky」に聞こえるため、「Rocky」に改称して販売される、ベビーフード商品のパッケージに赤ん坊のイラストがあると、赤ん坊の肉が販売されると誤解される等々の具体例を紹介する一方、日本での洋服の浸透など、商品が文化を変えた例にも触れた。