産学官交流サロン


平成22年度 開催実績
 
■第6回(平成23年3月15日)
 ◇トピックス:「沖縄の観光振興について」
 ◇講   師:沖縄観光の未来を考える会 副代表 白石 武博 氏
 ◇内   容:
沖縄のリーディング産業である観光業は、内部・外部の多くの課題に取り組んでいかなければなりません。3月の産学官交流サロンは、沖縄観光の未来を考える会副代表の白石氏に、24年ほど前の1世紀ビジョン懇話会でのプレゼン内容を振り返って頂いた後で、同会で策定を検討中のアクションプランについて報告頂きました。沖縄の目標として、観光に力を入れているシンガポールを挙げつつも、現在、「沖縄県株式会社」の、ビジネスとしての観光産業を評価する値は県にも無い(日本全体でも無い)とのことで、観光によるインパクトを定量化しなければ、うまく政策に反映できないのではないかとのご提言も頂きました。
■第5回(平成23年1月18日)
 ◇トピックス:「環境未来都市沖縄(スマートグリッドのテストベット)に向けて」
 ◇講   師:株式会社 エー・イー・シー 松本 宗久 氏
 ◇内   容:
電気自動車(EV車)の蓄電技術の進展は目覚ましく、家庭用にリユースすればスマートハウスが実現でき、更に自然エネルギーの供給側を巻き込んで巨大なスマートグリッドが構築可能だとされています。昨年5月、入口としてのEV車レンタカー事業推進のため、潟Gー・イー・シー(略称「AEC」)が県内外26社の出資で設立されました。1月サロンでは、このEV車レンタカー事業についてご説明頂きました。まずは観光客の利便のため、数年後は県民の利用も念頭に、充電インフラの整備に取り組んでいます。今年2月には、急速充電設備を県内全域18ケ所に27台設置し、充電サービスがスタートするとのことです。
■第4回(平成22年11月16日)
 ◇トピックス:「島嶼国・地域(沖縄)における観光教育のあり方について」
 ◇講   師:琉球大学 観光産業学部 観光科学科/観光科学科研究科
        教授 梅村 哲夫 氏
 ◇内   容:
琉球大学は、2005年に全国の国立大学に先駆けて観光関連学部を設置し、既に卒業生を輩出しています。また、2009年には、観光科学研究科(修士課程)が設置され、今年度に初の卒業生がでる予定です。11月サロンは、琉球大学の梅村教授に、観光教育についてお話し頂きました。全国の大学の観光学科の定員数はここ数年で10倍以上と大きく膨らむ中、沖縄での研究・教育で島しょ地域の自然、文化を守る「持続可能な観光」を実現できれば、他地域に先立つ成果となると目標を語られながらも、就職活動の長期化が勉強に差支えているなどといった現実問題も示されました。
■第3回(平成22年9月21日)
 ◇トピックス:「沖縄の次世代型都市インフラ構想 〜スマートCity を目指して〜」
 ◇講   師:轄糟 首席研究員 石嶺 一 氏
 ◇内   容:
スマートCity とは、スマートグリット技術を基盤にした再生可能エネルギーの分散型発電システムや充電式電気自動車による省エネ、高効率な空調設備などを用いたビル・住宅等の高度な都市システム・インフラです。9月サロンでは、轄糟嘯フ石嶺氏に、都市計画コンサルタントの視点からスマートCityについてご説明いただきました。中国やインド、横浜市や北九州市等の国内外の10〜20年後を見据えた事例の紹介の後、沖縄も2030年には宅地需要が減少し、都市基盤整備が完了するが、それでも色褪せない価値ある都市エリアを創出するにはスマートCityが一つの解答となるのではないか、とご提案されました。

■第2回(平成22年6月15日)
 ◇トピックス:「沖縄のアジア物流拠点(国際ハブ構築)を目指して」
 ◇講   師:沖縄県企画部 企画調整課 主幹 渡辺 英俊 氏
 ◇内   容:
近年のアジアの経済成長は著しく、消費市場拡大が期待されます。6月サロンは、渡辺氏より沖縄を拠点とした「国際物流」についてお話し頂きました。もとより沖縄県は”万国津梁”を掲げており、那覇空港は24時間空港で着陸料も安く、香港、ソウルなどアジアの大都市から4時間圏内である等の利便性がありました。そのためANAは、那覇空港をハブ空港として2009年10月より国際航空貨物事業を開始しました。事業開始後は那覇空港国際貨物取扱量も大幅に増加(2009年3月153トン→2010年3月12,751トン)しています。また、薬品や機械部品等の物資の備蓄・供給拠点としても有望であるとお話されました。
■第1回(平成22年4月20日)
 ◇トピックス:「沖縄県経済の長期見通し(2010〜2019年)」
 ◇講   師:(財)南西地域産業活性化センター 上席研究員 金城 毅 氏
 ◇内   容:
当財団では,、マクロ計量モデルを用いて、2010〜19年度の県経済を予測しました。予測を行った当財団の金城上席研究員によると、人口、公共投資、入域観光客数等を設定して計算すると、実質成長率は2010〜14 年度においては子ども手当て満額支給や民間設備投資の回復などにより年平均で1.4%程度、2015〜19 年度においては消費税引き上げの影響が一部あるものの、那覇空港滑走路増設工事、観光関連の堅調等で同じく年平均で1.4%程度と予測されるとのことでした。更に長期的には沖縄21世紀ビジョン、ポスト振興計画、沖縄総合事務局の経済産業ビジョンにも注目すべきだとの補足もありました。